ニーハオ!ザニーです($・・)/~~~
先日、テレビ番組「世界の村で発見!こんなところに日本人」で台湾東部の街「花蓮」に移住されたご家族の特集を放送していました。
そのご主人は第二の人生として台湾へ渡り、現在は花蓮で日本統治時代に日本と台湾が歩んだ史実を日本人に伝えるお仕事をされているそうです。
花蓮には1911年~1924年に政府の政策で主に四国や九州、遠くからは北陸、北海道などの当時貧困だった多くの農民達が移住した場所として、数多くの日本統治時代にまつわる歴史的文化財・文化遺産が残されています。
実際にこの放送があった日から数日間、「台湾 花蓮」の検索で、多くの方からアクセスがありました。やはり日本人にとって台湾という国は、観光の面での影響はもちろん、年月をかけて築き上げてきた両国の関係性を背景に、個人単位でも身近に感じている部分はあるのではないか思います。
そこで今回は、花蓮を含め台湾全土にある日本統治時代にまつわる歴史的文化財や文化遺産をいくつかピックアップして、その史実と実際に行ってみた感想を書いていきたいと思います。
松園別館
松園別館は、1944年に日本軍の高級将校の招待所として設立され、神風特攻隊が出陣する前に待機していた場所でもあります。
戦後には、ホテルに売却する計画が持ち上がりましたが、地元民の反対に遭い取り消しに。 今では台湾の歴史風景特区として管理されています。
園内には、全て材木で造られた松園故事館があります。
館内にはかつて昭和天皇の肖像が掲げられており、終戦後に数名の指揮官が自決した場所でもあります。
場所:花蓮市松園街65號
感想:海が見渡せる高台にポツリとある館です。
景色がとても良く、実際にホテルにしたらとても流行りそうな立地です。
民間へ売却する計画に対して地元の台湾人が、 日本の軍用施設のために反対意見を通し続けたことから、当時の台湾人のアイデンティティは日本人により近しいものだったことが感じ取れます。
吉野神社
吉野神社は、1911年に四国(主に徳島県)から移住した約300人の移民で造られた神社です。
当時村人達は、吉野移民村の心の拠り所としていたそうで、今でも地元の人たちのおかげで残っています。
※戦後は慶修院と改名
入り口には浴衣を着た地元の女性達が立っていました。
彼女達になぜ浴衣を着ているのか尋ねると、ここの地区では今も新年には浴衣を着て神社へ初詣に行くという伝統行事が残っているそうです。
参考:台湾花蓮 日治時代に生きた日本人移民達の軌跡
場所:花蓮縣吉安鄉吉安村中興路345-1號
感想:日本人移民はもうここにはいませんが、このように地元台湾人が現在も文化、伝統を継承していました。時代の変化に飲み込まれないように、古き良き伝統の大切さを伝える親世代と、それを純粋な気持ちで受け止める若者たちで守られている行事。地元の人、一人ひとりが支え合う地域の繋がりに力強い絆を感じました。
豊田移民村
日本統治時代に日本人移民が移り住んだ豊田移民村です。
移民達は、何もなかった原野を開拓し、用水路を渡らせ、この地を開墾しました。
ここが当時移民達の住んでいた家です。今資料館になってます。
1913年(大正2年)豊田移民村には約180戸、900人余りの日本人移民が住んでいました。
場所:花蓮県寿豊郷中山路320号
感想:この豊田移民村で生まれた日本人の方で結成されている「豊田会」で、数年に一度訪れているそうです。
台湾返還後、日本人移民の永住権は剥奪され、帰国を余儀なくされました。自分の生まれた国が外国になってしまった方々の心境を察することは到底できませんが、そのような事実が同じ日本人にあったことだけでも知れて良かった気がします。
紅毛港保安堂
戦後1946年のある日漁民の網に頭蓋骨がかかり、丁重に弔うため、海衆廟という霊廟に祭りました。その後、豊漁が続いたため、漁猟祈願として保安堂が建てられました。
その後、漁民の夢に頭蓋骨の主が現れ自らを「帝国海軍38号哨戒艇艦長 太田」と名乗ったことをきっかけに紅毛港保安堂を建て、帝国海軍38号哨戒艇の模型を御神体として祀るようになった。
場所:高雄県鳳山市六成里國慶七街132號
感想:住宅街にポツリと影を潜めるようにそびえ立っています。
頭蓋骨の主が日本人とわかった後、別の保安堂を建てて、作成した帝国海軍38号哨戒艇の模型と併せて弔っていただいた台湾人の方々の温かいご好意に対して、深謝いたしました。
紫藤廬
大正末期に建てられた日本家屋を改装した老舗茶芸館です。
80年代以前は台湾大学の学生を始め、多くの知識人が集まり討論会や民主運動の拠点として利用されていた歴史的にも非常に価値の高く、外装の一部は、市政府が保護している場所です。
場所:台北市新生南路三段16巷1號
感想:畳に座布団、ゴザのコラボレーションで、中国茶と台湾茶が出てきます。お菓子はパイナップルケーキだったりと少し日本人の感覚だと戸惑いますが、店内は10部屋以上あり、インテリアにもこだわっていて、空間に身を置くだけでも十分楽しめます。
参考:台湾紫藤廬 大正家屋の喫茶店で井戸端会議
台中神社
台中神社は、日本統治時代の1911年に創立され、1945年の第二次世界大戦の日本の敗戦の後、廃座されました。
現在は全部取り壊されて当時の鳥居が芝生の上に横たわっており、これしか当時の面影を感じ取れるものがありません。
場所:台中市公園路37-1号
感想:現在公園内に倒された状態で置かれている鳥居は、ベンチとして使用されているようで、普通に若者たちが上に乗ってスマホをいじっていました。正直、不快な思いしかしませんでした。
宮原眼科
1927年に宮原さんという眼科医が台中駅前に「宮原眼科」を開院しました。
戦後、宮原医師は日本へ帰国を余儀なくされ、建物は台湾政府により「台中市衛生院」として再利用されました。
現在は、その衛生院も閉鎖され、なぜかアイスクリーム屋に変身。店員さんは白衣を身にまとい、アイスクリームを売っています。歴史的背景を知らない人が見るとコスプレしているアイスクリーム屋のようです。
場所:台中市中区中山路20号
感想:アイスクリームの他に、茶葉やポストカードなどさまざまなここでしか買えないお土産が揃ってました。特に女性やカップルには、おすすめの観光地です。
この宮原眼科は、歴史的建造物ではありますが、特にこれといった歴史的に重要な史実はありません。
通霄神社-虎頭山公園
台湾光復紀念碑は、日本統治時代に日露戦争の戦勝を祝して建てられた碑です。
日露戦争時に設置された遼東半島に向けて突きあがる大砲です。
場所:苗栗県通霄鎮虎頭山公園
感想:こちらの通霄神社一帯は戦後長らく軍用地になっていたようで、一般人が近づくことは容易ではなかったといわれています。在台中国人の影響力が強いの土地だったにもかかわらず、文化財がほとんど破壊されてませんでした。
林百貨店
1932年の日本統治時代に日本人の林さんという方がオープンした林百貨店です。
当時、大正デモクラシーを象徴するようなモダンな建物としてメイン通りに建っています。
屋上には神社があり、今でも産業の守護神として現地の人と共にあるようです。
第二次大戦中にアメリカ軍からの空襲を受け、戦後は廃業となったようですが、現在でも日本オーナーのもと経営されているようです。
場所:台南市中西区忠義路二段63號
感想:確かに大正デモクラシーを象徴するような気品がある建物でした。台南の街並みに一際目立つ外装で、目の前に現れた時のインパクトは未だに忘れることができません。特産品販売施設として地元デザイナーによる文化・創作物が主に置いてありましたので、女性は商品を見ているだけでも楽しめる場所だと思います。
鳥山頭水庫
1922年、八田興一さんが測量・予算組・工事などすべてを1人で担当し、10年の歳月をかけて完成させたダムです。完成当時は東洋一の大きさだったそうです。
この八田興一さんの偉業について、台湾人は誰でも知っています。
歴史の教科書で必ず学ぶ重要な史実だそうです。
場所:台南市官田區嘉南里68-2號 烏山頭水庫公園
感想:台湾は歴史を丁寧に掘り起こして、自国、外国関係なく、事実を悲観することなく伝えている姿勢は一貫してます。この姿勢が現在の親日という立場に繋がっているのと感じます。
参考:台湾がなぜ親日国かその理由・背景を集めてみた
鎮安堂飛虎将軍廟
こちらでは台湾で神様になった杉浦茂峰・海軍兵曹長が眠っているお寺です。
1944年杉浦曹長は台南上空でアメリカ空軍の銃撃を受け、その時にすぐに落下傘を出せば自ら脱出できたのにも関わらず、戦機が住民の集中している地域に墜落すると予期し、機首を揚げ上昇し野畑が広がっている地域に目指して墜落したとして地元民に今でも神様として祀られています。
祭壇には日本と台湾の国旗が並んで立っていました。
場所:台南安南区同安路127号
感想:この時代の日本人は、台湾を祖国として思い、台湾人を国民として慕っていたのだと信じてます。台湾人もそれを真っ向から受け止めたからこそ、日本が撤退後も湾曲させることなく事実を伝え続けた姿勢貫いたのだと思います。その両者が創り上げた絆のなかに美徳が生き続けているのだと思います。
参考:台湾一周!台南誇り高き日本人の魂が眠る街
さていかがでしたでしょうか?
実際に行ってみると、ここは日本か?と思うような場所がたくさん存在します。
以上、台湾に残る日本統治時代の歴史的文化財・文化遺産巡りでした!
少なくとも私はこれからも次世代へ日台の絆を継承すべく責任を持って取り組んでいく所存です。
では、お読み頂き有難う御座いました。
再見($・・)/~~~
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