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今回は台湾バスあるあるにしようと思っていましたが、急遽変更して1月16日に行われた台湾総選挙についてレポートしたいと思います。

民進党・蔡英文さんが8年ぶりに政権奪還をしました!!!




台湾は長年、国民党が政権を握っており、8年前に民進党の陳水扁さんが大統領になった時も、日本の国会にあたる立法院では過半数を取れず、事実上国民党支配は続いていました。

だが!今回は立法院も過半数を得て、正真正銘民進党の政権となったわけです!
正直、この8年間の馬政権はかなり中国よりの政策が目立ち、ご存知の方も多いと思いますが、おととしの「ひまわり運動」(国民党がこっそりサービス貿易協定を結ぼうとしたことに対して激怒した学生達が立法院を占拠した学生運動)を機に政治に対する若者の不満が爆発。それがそのまま、国民党の不信感へと繋がったのです。
国民党はもともと裕福な人が多いため、お金持ちはもっとお金持ちに、自分達の利益さえ確保できたらそれでいいという考え方が少なからず露呈した結果となったのではないでしょうか?
参考:2016年台湾総統選候補者と台湾の選挙制度

台湾に住んで3年目、景気がよくなってるという実感は私にも伝わってきません。家を買うなんて、サラリーマンの安月給では夢のまた夢。台北市内はもう億ションしかないのでは?物価に関しては、台湾は安い!と感じられるのは、交通費くらい。大卒の初任給は22K(22,000元=7万ちょっと)と、ちょっとこれじゃあ、生活できないんですけど。。ってレベルでしょ?

参考:台湾人男性と結婚して台北に住んでいる主婦です!

というわけで、選挙権がない私の生活にも何も恩恵がない国民党政権、今回の選挙はもちろん民進党を支持して、かげながら応援していたわけです。


結果は圧勝!




また、大統領選挙だけみると、ほとんど緑色(民進党・蔡英文)です。

急に何かを変えるのは無理かもしれないけど、台湾も徐々に何かが変わっていくという感じが現地で生活していても感じます。その片鱗がみえ始めたのが、2014年に行われた市長選挙です。そこから今回の民進党の圧勝、国民党の大敗に繋がったのではないかと、私になりに分析してみました。(※私は政治評論家でもなんでもないので、毎日テレビの討論番組をみたり、生活していく中での雰囲気や台湾人との会話で感じたことです。見当違いだったらすみません)


台北市の変化


北部は国民党の地盤、南部は民進党の地盤という風に住み分けされていた感がありましたが、2014年に行われた市長選挙では国民党の連勝文さんを大差で破り、無所属の柯文哲さんが台北市長になりました。彼は元外科医。政治に関しては素人といっていいでしょう。まさか、国民党が敗れるなんて!という驚きはあったようですが、これも今の政治に不満が多い台北市民が下した判断でです。柯市長は、就任して1年ちょっと、失言は多いものの、がんばっていると思います。私の印象は(テレビで)天才で変人。いい意味で何をしでかすのか楽しみです!


伝統の崩壊


台湾でもお父さんが政治家でその息子も政治家になる(連勝文のお父さんも政治家)という世襲制が特に国民党で多く、もはや出来レースのようですね。しかし、今回の選挙に関しては政治に関しては素人という人が次々と当選していきました。当選した民進党の副大統領も政治家ではないようですね。
副大統領・陳建仁さんてこんな人
​「英仁コンビ」に決定 蔡英文:穏健に改革し、寛容と団結で、人々に自信を取り戻し、将来の希望に光を灯す


若者の台頭



今回の選挙から立ち上がった党「時代力量」の躍進が目立ちました。ひまわり運動から始まった若者が立ち上げた党です。ロックミュージシャンが国民党地盤といわれる台北市から立候補して見事当選しました。個人的にもすごく楽しみな党です。
参考:台湾バンドブーム!?現役活動中台湾バンド一挙公開!


国民党の自滅


国民党は最初、女性の洪秀柱さんを総統候補とあげていましたが、中国・台湾統一発言が物議を醸し、途中で降板。変わって台北市のお隣新北市長の朱立倫さんが候補となりました。彼は当初「做滿做好」(新北市長を最後までやる)と言って立候補はしないとずっと言い続けていましたが、結局出馬。さらに、副総統候補の王如玄さんが軍専用の家を転売して相当な利益を得ていたことが発覚。これら一連の騒動によって、国民党のお家事情が露呈、打ち出す政策もいまひとつ国民を納得させられる方針ではありませんでした。それがそのまま今回の惨敗にも繋がったひとつの要因でもあると思われます。


台湾人のアイデンティティ


韓流アイドルグループ「TWICE」の一員、台湾人の周子瑜さんが番組内で台湾の国旗を振ったことが、大陸で「台湾独立派」であるとバッシングされ、謝罪に追い込まれるという事件がありました。日本人が外国で日本の旗振って非難されるってほとんどないですよね。この事件からも中国と台湾の微妙な関係がわかります。しかもこれをリークしたのって黄安っていう台湾人(外省人だけど)ですからね!
外省人:第二次世界大戦後、共産党との覇権争いに敗れ、中国大陸から台湾に逃れてきた国民党の人々とその子孫
日本でも報道されているようですね。リンクをご覧ください。
韓国アイドルグループ「TWICE」の台湾出身ツウィに“台湾の旗を振った”と批判殺到 中国での活動休止にビデオで謝罪 総統選への影響も
詳しく説明しているサイトもみつけました。
【問題の謝罪動画&日本語訳あり】韓国アイドルグループ「TWICE」のメンバー、ツウィ(本名:周子瑜 トウ・ツウィ 16才)謝罪事件について、台湾人【모모】(@momo_wrb)さんが解説してくれました

このニュースがでたのが奇しくも選挙当日。
これには、多くの台湾国民が激怒。というのも、ある調査では大学生の6割強が自分は台湾人であるとの認識があり、中国人ではないと思っていると回答しています。
このことからも彼女が、中国はひとつ、中国人であることを誇りに思うと謝罪した(YouTubeを見ましたが、まだ16歳の彼女が政治に関してそこまで強い信念があったとは思えず、謝罪させられているという感じでした)ことに、なんで自国の旗を振っただけで謝らないといけないのか!と、波紋を呼んでいます。また、あるメディアは今回の選挙にも国民党(台湾中国統一派)が大敗したのはこれも原因じゃないか?民進党(台湾独立派)に票が流れたのでは?との報道もありましが、私が思うには、少しは影響があったのかな?という程度だと思います。いずれにせよ、この出来事が台湾人のアイデンティティというナイーブな問題に(みんな忘れたフリしてたけど)改めて向き合っていかなければいけないと思わせたのは間違いありません。

私は台湾に住んでいますが、国籍は日本ですので、台湾での選挙権はありません。が、日本に居た時よりも、台湾に来てからのほうが、政治に関心があります。また、台湾の若者は政治にとても関心があり、テレビでも政治に関しての討論番組が毎日放送されています。そしてやはり国際社会で微妙な立ち居地の台湾ですし、誰が政権を握るかで生活にすぐ直結しますから、老若男女政治の関心は高いです。
私も台湾の未来が明るく、台湾人が世界で旗を振っても咎められず、日本ともいっそう仲良く、自由で豊かで、平和な台湾になることを心から願っています。
ライトアップ台湾というキャッチフレーズで戦ってきた民進党。
有志のミュージシャン達が一緒に作った歌です。なかなかいい歌です。



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この機会に台湾を知ろう!


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